総裁先生の新刊書を熟読しましょう

京都第二教区教化部長 伊藤 夏樹

待望の総裁先生監修の新刊書『〝新しい文明〟を築こう』上巻 基礎篇「運動の基礎」が道場に届いています。皆様のお手元にも届きましたか。上巻とあるように、本書は上中下の三巻で構成されるとのことです。その目的・内容については、本年度の運動方針にある通り「生長の家が立教から第二次大戦、冷戦時の政治運動を経て、民族・宗教対立の克服を目指す国際平和信仰運動に至る足跡を概観し、現在はなぜ地球生命全体の繁栄を目的とする〝新しい文明〟の構築に向かっているかを会員に伝えるため、神示や祈り、講演など、教団史上の重要文書をまとめた〝会員必携書〟」として発刊されたものであるということです。そうです、この書は〝会員必携書〟なのです。さらに総裁先生は、この新刊書につぎのようにお示しくださっています。

生長の家の信徒・会員の皆さんには、本書を熟読されて、昭和初期に始まった人類光明化運動が、三世代九十年にわたる歴史の中でどのように展開し、また挫折や停滞があったとしたら、それはなぜであり、先人や私たちが何をどう克服し、今日、人類全体を含む地球生命の問題になぜ、どう対処しようとしているかを理解されたい。また、宗教がテロや戦争の原因または助因となってきた過去の歴史から決別して、「信仰による平和」実現に貢献する道がここにあることを理解され、「生活そのものが宗教となるところに特色がある」(『菩薩は何を為すべきか』はしがき)私たちの運動に、聖使命菩薩として参加する喜びを知り、それをさらに多くの人々に伝えていただければ、筆者の喜びこれに過ぎるところはない。(同書七~八頁)

生長の家は立教して九十年を過ぎ、この間も、私たちをとりまく世界はいろいろな出来事を経ながら大きく変化してきました。世界恐慌、第二次世界大戦、戦後の東西対立、冷戦終結と民族紛争、原理主義の台頭…。日本では憲法や安保の問題、公害、大震災、サリン事件などもありました。そして今は全世界規模の問題として、経済発展による自然破壊と、それにともなう地球温暖化、気候変動による大規模災害、新型のウイルスによる感染症の拡大が問題となっているのです。
「宗教運動は真理の宣布を行うとともに、時代や社会の変化の中で悩む人々を救済する役割があるため、それらの変化に対応して教えを展開する必要があります」(同書二〇~二一頁)と書かれているように、私たち生長の家の運動も変化をしているわけですね。これをしっかり学ぶことはとても重要です。私は本書第一章にある「立教から国際平和信仰運動までの歴史概観」を読んで、たいへんわかりやすくて感激しました。生長の家の運動は時代の要請に応えて変化しており、過去の聖典のみに救いを求めるだけでは充分ではないことがよく理解できます。正しく生長の家を信仰し、正しく活動するために、私たちはいつも本書を身近において熟読してまいりたいと思います。もちろん〝会員必携書〟ですから、今後の地方講師・光明実践委員研修会や両丹短期練成会、誌友会などあらゆる行事でのテキストとなります。講師の皆様にはおおいに活用して頂きますようお願い致します。
そして新型コロナウイルスの問題については、前月号にも紹介しましたが、総裁先生のブログ『唐松模様』二〇二〇年三月一日「すべての生物を礼拝・尊重する」、三月十一日「「生命の法則に随順する」とは?」、三月二十二日「コロナウィルスは何を教える」、四月十一日「コロナウィルスは何を教える(2)」をあわせて熟読ください。これらの努力は、私たちの運動が如何に素晴らしいものであり、それに参加できることがどんなに大きな喜びであるかを再確認させてくれるに違いありません。